教育委員会の関係する行政不服審査手続について

1.教育委員会が行政庁として行った処分についての、行政不服審査手続(公文書公開関係)

まず、個人情報保護・情報公開関係に関する行政処分で、不服申立てが会った場合の取り扱いを見て見ましょう。平成26年に改正された行政不服審査法(現行法)で、教育委員会が行政庁として行った開示決定・非開示決定等の行政処分についての取り扱いを整理すると以下のようになります。
旧法では、教育委員会が処分庁となる関係で、異議申立てとして取り扱われていたものが、審査請求として取り扱われることになります。つまり、教育委員会が行った処分につき、教育委員会が審査庁となり、教育委員会事務局内に複数の部課があるとしても、場合によっては、処分庁審査庁の決裁ルートが重なり合うことも想定されます。
情報公開審査会が実質的な審理を行うことが多いでしょうから、(改正)行政不服審査法第9条第1項の規定は〔条例により〕適用除外とすることが予定されている。

2.教育委員会が行政庁として行った処分についての、行政不服審査手続(法定受託事務関係)

法定受託事務に関するものについては、市町村教育委員会が行った行政処分は、県教育委員会が審査請求審査庁となる。これは地方自治法上の裁定的関与の制度によるものです

3.教育委員会が行政庁として行った処分についての、行政不服審査手続(人事上の処分-退職手当不支給など)

市長・知事が審査庁となり、審理員による審理がなされます。

4.教育委員会が行政庁として行った処分についての、行政不服審査手続(上記以外)

上記以外で、自治事務といえるもの(法定受託事務ではないもの)については、改正法では、教育委員会が処分庁となり、なおかつ審査庁となる形になります。こうした類型では、行政委員会が審査庁になるケースですので、審理員を指名することは不要です(=改正行政不服審査法第9条第1項第3号)。審理員を指名しない形で、教育委員会内部で審理を行うことになります。