総計予算主義の原則に抵触する(過年度過徴収還付金との関係)

一般的な「総計予算主義」の話についてはすでに記事にしたところです。

今回は、監査委員が、総計予算主義の原則に抵触すると指摘した例を見てみましょう。


 一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならないのに、シカ捕獲事業の代行費用として市町から徴収する鳥獣害対策負担金において、過年度過徴収還付金の支出と当年度徴収金の収入を相殺した額を歳入歳出予算に計上していた。


(太字化は、引用者)

監査委員は、このように指摘しています。
A県がB町に対して、平成**年度において負担金を多く徴収しすぎてしまったため、その翌年に還付することになった(過年度過徴収還付金=歳出)。それに対して、当該年度もA県はB町に対して負担金を徴収することになった(当年度徴収金=歳入)。これらを差引計算してはならず、それぞれを歳入歳出予算に計上するということになります。