随意契約による普通財産の貸付

1.普通財産の私人への貸付は、入札で行うことが原則です。

普通財産は、私人に貸し付けることが出来ます(普通財産は、そもそも目的外使用許可という形しか出来ず、貸付という法律構成を取ることができません。)。
普通財産を私人に貸し付けるときは「売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとする。」とする地方自治法234条の2の規定があてはまり、貸付の相手方を探す方法については入札原則になります。
その趣旨は、地方公共団体が所有する不動産を貸すという場面であっても、相手方は公平に選ぶべきであり、相手方を選ぶ方法としては、貸付料(賃料)につきより高い金額を提示した者との間で契約を締結すべきであるとの考えがあります。地方公共団体がモノを買う等の発注行為を行うときに、競争性・公平性の原則で、より安い金額を提示した者から買うべきであるのと同様になります。

2.普通財産の私人への貸付を随意契約で行うことも可能であること

ただし、普通財産の私人への貸付も、一定の場合、随意契約を行うことも考えられます。
例えば、大阪市の場合、「随意契約による行政財産及び普通財産の貸付けに関する取扱い基準」を作成して、随意契約を行いうる場合を明示しています(外部リンク)。また、大阪府の場合も「随意契約による普通財産(土地・建物・工作物)の処分、貸付に関する取扱基準」が存在するようです。ところで、大阪市では貸付料の算定や減免に関しても、「行政財産使用許可等・普通財産貸付けをする場合の減免基準」が作成されています。なお、減免状況をウェブサイトで公表することで、公平性の確保を図る動きもなされているようです。