退職手当不支給処分の審査請求の取扱い

1.退職手当不支給処分の審査請求の取扱い

今日は、退職手当不支給処分の審査請求について、みてみましょう。地方自治法では、下記の通り、定められています(※ 行政不服審査法改正にともなう平成26年法律第69号に対応した条文を表示しています)

-地方自治法-
第二百六条  普通地方公共団体の長以外の機関がした第二百三条から第二百四条まで又は前条の規定による給与その他の給付に関する処分についての審査請求は、法律に特別の定めがある場合を除くほか、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。
○2  普通地方公共団体の長は、前項の給与その他の給付に関する処分についての審査請求があつたときは、議会に諮問してこれを決定しなければならない。
○3  議会は、前項の規定による諮問があつた日から二十日以内に意見を述べなければならない。

行政不服審査法は「審査請求は最上級行政庁に行う」というルールを定めています。これは、その例外として、特則が定められたものになり、退職手当不支給処分についての審査請求は、すべて市長・知事を審査庁して行うこわれることになります。
教職員についての退職手当の不支給の場合、審査庁は、教育委員会ではなく、首長になります。その他、たとえば警察・消防等、人事に関する任命権者が異なる場合でも、すべて首長が審査庁となります。そして、市長・知事が指名した、審理員による審理手続が行われることになります。

2.退職手当不支給処分の審査請求の取扱

退職審査不支給処分の審査請求は、議会に諮問してから、裁決を行うというルートになります。その関係で、行政不服審査会への諮問は行う必要がありません。
旧法では、市長が行った処分の場合、市長に異議申立てを行い、さらに都道府県知事に審査請求を行いうるという2段ルートの規定がありました。こちらは、改正に伴い削除されています。旧法下で一定の公平性を確保するための規定でしたが、行政不服審査法の改正に伴い、あえて知事に審査請求を行いうるという道をつくっておかなくても公平性が確保される、という整理が行われました。