1.行政財産とはそもそも何か
地方自治法上では、行政財産について、下記の通り、定められています(238条)。
-地方自治法-
第238条
(略)
3 公有財産は、これを行政財産と普通財産とに分類する。
4 行政財産とは、普通地方公共団体において公用又は公共用に供し、又は供することと決定した財産をいい、普通財産とは、行政財産以外の一切の公有財産をいう。
このように、地方自治法では地方公共団体が所有権を有する財産「公有財産」を二つに分類し、行政財産と普通財産に分かれるとされています(238条3項)。このうち、普通財産は「行政財産ではないもの」という考え方になりますので、まず、行政財産に該当するかどうかを考えることが先になります。
行政財産とは、上記の定義のとおり、(1)公用に供した、(2)公共用に供した、(3)公用に供することを決定した、(4)公共用に供することを決定したという四種類の財産があることになります。
2.行政財産にはどういう規制があてはまるか
もっとも重要な点は、行政財産に該当する場合は、(1)私権を設定することが出来ず、(2)目的外使用許可もしくは地方自治法上の行政財産の貸付のみが行えるという点です。普通財産に関しては、こういった制約はありません(地方自治法238条の4)。行政財産について用途を廃止する場合(普通財産にする)には、当該地方公共団体の内部の手続を経ることが必要になります。通常は、公有財産規則など、各地方公共団体の規則にそれらの内部的手続が記載されています。