包括外部監査人の補助者

★今日は、地方自治法における「包括外部監査」の事務の補助者についてみてみましょう。

地方自治法上、包括外部監査の事務の補助については、下記の通り、定められています(252条の32)。

(外部監査人の監査の事務の補助)
第二百五十二条の三十二  外部監査人は、監査の事務を他の者に補助させることができる。この場合においては、外部監査人は、政令の定めるところにより、あらかじめ監査委員に協議しなければならない。
2  監査委員は、前項の規定による協議が調つた場合には、直ちに当該監査の事務を補助する者の氏名及び住所並びに当該監査の事務を補助する者が外部監査人の監査の事務を補助できる期間を告示しなければならない。
3  第一項の規定による協議は、監査委員の合議によるものとする。
4  外部監査人は、監査が適正かつ円滑に行われるよう外部監査人補助者(第二項の規定により外部監査人の監査の事務を補助する者として告示された者であつて、かつ、外部監査人の監査の事務を補助できる期間内にあるものをいう。以下本条において同じ。)を監督しなければならない。
5  外部監査人補助者は、外部監査人の監査の事務を補助したことに関して知り得た秘密を漏らしてはならない。外部監査人補助者でなくなつた後であつても、同様とする。
6  前項の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
7  外部監査人補助者は、外部監査人の監査の事務の補助に関しては、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
8  外部監査人は、第二項の規定により告示された者に監査の事務を補助させる必要がなくなつたときは、速やかに、その旨を監査委員に通知しなければならない。
9  前項の通知があつたときは、監査委員は、速やかに、当該通知があつた者の氏名及び住所並びにその者が外部監査人を補助する者でなくなつたことを告示しなければならない。
10  前項の規定による告示があつたときは、当該告示された者が外部監査人の監査の事務を補助できる期間は終了する。

外部監査人が補助者を決めるにあたっては、まず監査委員と「協議」を行い(第1項)、その氏名等が告示される(第2項)という手続を経由することになっています。
補助者には特に資格制限はありません。外部監査人が弁護士の場合に補助者として公認会計士を活用することも可能ですし、その逆も可能となっています。特に弁護士・公認会計士・税理士といった士業に限定されませんので、元・地方公務員といった県政/市政の内情を知る者であっても構わないところです。
また補助者に員数制限もありません。包括外部監査としての質や統一性を維持するために、効果的効率的に稼働できるような員数が望ましいと思われます。たとえば横浜市の平成28年度の包括外部監査では、公認会計士が包括外部監査人になられて、そのほか公認会計士4名、米国公認会計士1名が補助者をされています。