貸付金の調定

名古屋市の平成27年の定期監査では、次のように指摘されています。

「7区(略)において災害援護資金貸付金に係る未収金の管理状況について確認したところ、以下のような事例が見受けられた。
ア  既に償還期が到来した債権について、調定が行われておらず、納入の通知も行われていないもの (略)
イ  既に償還期が到来した債権について、調定は行われているが、納入の通知が行われていないもの (略)
ウ 借受人からの償還がなされない場合や居所不明である場合等において、保証人への請求が行われていないもの (略)
エ  償還期が到来していない債権について調定が行われているもの(略)
オ  督促状の送付の記録が償還台帳等に記載されておらず、督促の状況が不明であるもの (略)
カ  借受人又は保証人死亡後、相続人の調査が実施されていないもの(略)
地方自治法では、長は債権について、その督促、強制執行その他その保全及び取立てに関し必要な措置をとらなければならないとしており、債権の管理は適正に行われるべきである。(略)にあっては、当該債権について適正な管理を行うよう注意されたい。」

名古屋市の各課において、調定が行われたなかった具体的な経緯は不明です。
一般論としていえば、すでに貸付に関する契約を締結し、毎年度ごとに貸付金(償還金)の履行期が到来する場合、毎年、正確に調定を行っていく必要がありましょう。
貸付金などの債権で、たとえば、ある債務者において、ある時点から全く弁済がなされない状態になられた場合も、調定をそれ以後控えるということは妥当でありません。調定を控えてしまいますと、「収入未済」の額として把握されることがなく、県や市町全体の適正な未修金額(未修債権額)を把握することが不可能になります。調定を適正に行うということは、民間で言えば帳簿を正確に書くという意味合いがあり、軽視できないシゴトです。