公の施設の「長期かつ独占的な利用」

1.「重要な公の施設」については「長期かつ独占的な利用」をさせる公営企業においては、訴えの提起に際して、どのような手続が必要か

地方自治法は、まず「重要な公の施設」というカテゴリーにあてはまる施設を条例で具体的に列挙することが出来るとし(同法96条1項11号)、そうした条例で定めた施設について、(1)廃止する場合、(2)「長期かつ独占的な利用」をさせる場合、個別的な議決が必要ということになるとしています。

地方自治法は、上記のように「特に重要な公の施設」というカテゴリーにあてはまる施設を条例で具体的に列挙することが出来るとし(同法244条の2第2項)、その場合、①廃止と、②長期かつ独占的利用をさせる場合には、議決の要件が3分の2以上となることを定めています。

-地方自治法-
第九十六条 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
十一 条例で定める重要な公の施設につき条例で定める長期かつ独占的な利用をさせること。

-地方自治法-
(公の施設の設置、管理及び廃止)
第二百四十四条の二
普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。
2 普通地方公共団体は、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止し、又は条例で定める長期かつ独占的な利用をさせようとするときは、議会において出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない。

2.「重要な公の施設」に関する条例にはどのようなものがあるか

たとえば京都市では、「重要な公の施設に関する条例」(同市昭和39年条例第40号)における別表でそれに該当する施設を列挙し、5年以上独占的に利用させようとするときは議決が必要であるとしています。
たとえば、横浜市では横浜市中央卸売市場南部市場がこうした、特に重要な公の施設扱いとされていたことから、それを廃止する際には、3分の2を満たすかどうかを基準に議会の議決が取られたものとされています。