1.延滞金は、どのタイミングで「調定」をするべきか
一般に、延滞金は日々刻々と増えていくという性質を持ちます。そのため、事後調定の方法によることが容認されているようです。
しかし、元本部分が支払われた(完済に至った)場合は、そこで延滞金の総額が確定することになります。したがって、そこを以て、調定が行われるべきであるというのが一つの考え方になります。調定をどのように行うかは別として「歳入の会計年度所属区分」としては、「普通地方公共団体の歳入に係る督促手数料、延滞金及び滞納処分費は、第一項の規定にかかわらず、当該歳入の属する会計年度の歳入に組み入れるものとする。」((地方自治法施行令第142条第3項)との扱いが適用されます。
2.延滞金の「調定」の時期についての外部監査の指摘
ところで兵庫県の包括外部監査では
「確定した延滞金については調定を行い、徴収に対するインセンティブを向上させなければ、本来、本税と同様に公債権として徴収すべき延滞金の改修が疎かとなる。また、延滞金の催告を不当に拒否し続けた納税者と適切に延滞金を納付した納税者との間で不公平な取扱いとなることにつながることから、少なくとも本税が完納され確定した延滞金については、年度末で調定を行い、県の債権として認識すべきである。」 との指摘がなされています。
また、和歌山県の包括外部監査でも
金額の確定した延滞金等は事前に調定を行い、そのうち収入未済の延滞金等については、未収債権として認識し未収金として計上しなければならないが、県は延滞金等の事前調定を行っていない。したがって、当該財務事務は妥当ではない。また、元金等が完納されていない債権に係る延滞金等についても、現在、県がどれだけの延滞金等を保有し、今後回収しなければならないかを把握しなければならないが、県は、延滞金等の総額を管理する仕組みを有さない。 県は延滞金等を総括的に計算し、把握するための仕組みを整備し、債権管理の対象とする必要がある。
とされています。
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